施工管理は他の仕事よりも責任感が重く、コミュニケーションが難しいため、中にはうつ病になってしまう人もいます。
そこで本記事では、施工管理がうつ病になりやすい理由をまとめた上で、その対処法について詳しく解説します。
うつ病の可能性があるかも?と感じている人はぜひ参考にしてください。
施工管理がうつ病になりやすいと言われる理由
施工管理がうつ病になりやすいと言われる理由は次の通りです。
- 責任が重い
- 休日が少ない
- 人間関係
以下にて詳しく見ていきましょう。
責任が重い
施工管理者はプロジェクトの成功に大きく関わっているため、問題やミスが発生した場合には相応の責任を負うことになります。
そうした責任の重圧が精神的な負担となり、うつ病が発症する要因となる可能性があります。
また施工管理は、工事プロジェクトの計画、進行管理、予算管理、人員管理など多岐にわたる業務の責任を負う仕事でもあります。そのため、プロジェクトの進行状況や品質、安全性などの面で常に重圧ーを感じることもあるでしょう。
さらに、現場で頻繁に発生する予期せぬ問題やトラブルに対処しなければならないというプレッシャーも伴います。
こういった事象から発生するうつ病のリスクは他の職業と比べても大きい言えるでしょう。
休日が少ない
建設プロジェクトは複雑で、予測不可能な事態が起きやすい環境にあります。そのため、計画が変更されたり、予期せぬ問題が発生したりすることも多いです。
施工管理者はそうした不確実性の高い状況に直面しながらも、早急に対処する仕事でもあります。
そういった事態が多く起こることから休日が少なくなることも多く、ストレスの原因になることもあるでしょう。
また、施工プロジェクトの進行には時間的制約があるため、工期に間に合わせるため長時間の労働を強いられることがあります。過度の労働時間は身体的な疲労や心理的なストレスを引き起こし、うつ病の発症リスクを高める可能性があります。
人間関係
施工管理は、所属する建設会社の上層部や下請け業者、現場の作業員、各所関係機関など、非常に多くの人と連絡を取り合い、効果的なコミュニケーションを行うことも仕事の一つです。
そういった中で情報の伝達ミスや意思疎通の問題が発生することでストレスや不安を引き起こし、うつ病につながる可能性があります。
また施工管理者は、プロジェクトを引っ張るリーダー的な立場にありますが、現場作業員との距離感や意見の相違などから孤立感を抱えることも少なくありません。そうした孤独感がうつ病の要因になる可能性もあるでしょう。
【施工管理】うつ病のサイン3選
施工管理の人にとってよくあるうつ病のサインは次の通りです。
- 睡眠の質が低い
- 情緒不安定になりやすい
- 食欲がなく常に体調が悪い
以下で詳しい内容を見ておき、自身に該当していないかを把握しておきましょう。
1.睡眠の質が低い
うつ病の可能性がある症状として、睡眠の質が低いというものがあります。眠りが浅く、夜中に目が覚めてしまったり、早朝に目が覚めてしまったりすることがある人はこれに該当します。
逆に過度の眠気を感じる場合も睡眠の質が低い状態にあると言えるでしょう。
睡眠の質が低いと仕事や日常生活での集中力が低下し、物事をうまくこなせなくなることが増えます。小さなことに対しての決断力が減り、迷いや不安を感じることも多くなるでしょう。
2.情緒不安定になりやすい
情緒不安定になることが多い場合も注意が必要です。
たとえば、ちょっとしたミスで自分を否定したり、自分がもつ価値感を信じられなくなったりすることが多くなる人は注意しておきましょう。
また以前は興味を持って楽しんでいたことに興味がなくなるのもうつ病の傾向です。
こうなると日常の業務や趣味に対するモチベーションが低下し、何に対してもやる気が起きなくなっていきます。
3.食欲がなく常に体調が悪い
食欲がなく常に体調が優れない人もうつ病の傾向があります。
夏場などは暑さで食欲が無くなりやすいですが「1日を通してほとんど食欲がない」といった場合などはうつ病の影響を受けている可能性が高いです。
また逆に過食傾向が出ている場合も注意しておきましょう。過食によって体重の増減が激しくなると体調にも支障きたすため、通常時と異なる食生活が続いている場合はうつ病のサインを疑うようにしましょう。
施工管理で限界を感じた際の対処法
施工管理で限界を感じた際の対処法は次の通りです。
- 転職する
- 周囲に相談する
- 長期休暇をもらう
以下にて詳しく見ていきましょう。
1.転職する
現在の職場に限界を感じている場合は転職を検討しましょう。
転職をネガティブなものと捉えてしまう人もいますが、転職は自分に合った環境を見つけるための手段に過ぎません。ポジティブかネガティブかというものでなく、効率的に生きていくうえで選択すべき一つの手段なのです。
職場を変えることで劇的に何かが変わるというわけではありませんが、転職という一歩によって現状を打破することは可能です。
「これまで経験や知識を無駄にしたくない」という人は、建設業に特化した転職エージェントに相談してみるとよいでしょう。
2.周囲に相談する
手軽にできる手段としておすすめなのが周囲に相談することです。
親や友達など、自分にとって話しやすい人であれば誰でもよいでしょう。誰かに相談する際は、将来のことばかりを話すのではなく、自分の気持ちが軽くなるような話題を意識しましょう。
親や友達といった身近な人に相談したくないという人は先ほどと同様、転職エージェントへの相談をおすすめします。赤の他人だからこそ話せることもありますし、相談は無料であるため手軽に試してみましょう。
3.長期休暇をもらう
長期休暇をもらうという方法もあります。長い休暇をもらうことでリフレッシュもでき、自分の進みたい方向を明確にすることもできます。
そもそも長期休暇をもらうのが難しい環境である場合は転職を検討しましょう。
自分自身の身体より優先すべきものがないという前提をもち、自分本位の選択を行うことが大切です。
施工管理がうつ病にならないための思考法
施工管理がうつ病にならないために知っておきたい思考法は次の通りです。
自己肯定感の向上させる
自分の成果や能力を客観的に認識し、自己を肯定することが大切です。失敗やミスを恐れるのではなく、それを成長の機会と捉えることで、自己肯定感を高められます。
現実的な目標を設定する
高すぎる目標をもつと達成できないことに対するストレスが増える可能性があります。現実的な目標を設定し、一つひとつ着実に進めることで、達成感を得ましょう。
ストレスを管理する
ストレスを感じたときは、適切なストレス解消方法を見つけることが重要です。運動やヨガ、瞑想、趣味に没頭するなど、リラックスする時間をもつことで心の余裕が生まれます。
柔軟性をもちポジティブに思考する
変化や困難に柔軟に対応する姿勢をもち、ポジティブな考えをもつことが大切です。問題に対して否定的な感情をもつのではなく、解決策を見つける努力をすることでストレスを軽減できます。
休息とリフレッシュを意識的にとる
定期的な休息を取り、自分のペースを保つことが大切です。仕事に没頭しすぎないように注意し、リフレッシュする時間をもつことで、メンタル面の健康を保てます。
これらの思考法を意識し、日常的に実践することで、施工管理者はうつ病になるリスクを減らすことが可能です。
また、心身の健康を大切にし、ストレスをうまくコントロールすることで長期的な業務の遂行にもプラスに働くでしょう。
¥まとめ
本記事では「施工管理がうつ病になりやすい理由」「うつ病のサイン」などを紹介しました。
うつ病は施工管理のみに関わらず、どのような職業でも発症し得る病です。
うつ病を未然に防ぐためには職場環境を自ら整え、心身ともに安定した状態を保つことが重要になります。
「うつ病かも?」と思った際は、周りの人に遠慮することなく、すぐに相談しましょう。
百田 遼太郎