施工管理の求人倍率は約5.09倍です。
この5.09倍という数値は、転職する人にとって良い数値なのでしょうか。
本記事では、施工管理の求人倍率をもとに、転職を考える人にとって重要なポイントを紹介します。
求人を見る際の注意点なども解説しますので、施工管理への転職を成功させたい人はぜひ参考にしてください。
施工管理の仕事内容
施工管理の仕事を簡単に言うと、工事をスムーズに進めることです。
工事をスムーズに進めるためには、工事の進捗を管理したり、作業員や職人に適切な指示を出したりする必要があります。
そういった工事の進行に関わる仕事全般をまとめるのが施工管理の仕事です。
施工管理の仕事内容については「施工管理 仕事内容」でも詳しく解説しています。
求人倍率とは
求人倍率とは、求職者1人あたりに対し、何件の仕事があるかを表した数字です。
たとえば、求人倍率が2倍であれば、求職者1人に対して2件の仕事があるということになり、求職者が有利な売り手市場となります。
逆に1倍を下回っている場合は求職者1人に対して1件の仕事がないことを表し、求職者にとって不利な買い手市場となります。
有効求人倍率の求め方
有効求人倍率の求め方は次の通りです。
企業の求人数÷求職者数
ちなみに令和5年の全国の有効求人倍率は1.31倍となり、求職者に有利な売り手市場となっています。
【参考】厚生労働省 一般職業状況
施工管理の求人倍率は5.09倍
施工管理の求人倍率は5.09倍となっています。
先ほど紹介した令和5年の有効求人倍率は1.31倍であるため、施工管理の求人倍率は平均の約4倍ほどです。
なお、求人倍率と有効求人倍率の意味合いはほとんど同じで、違いは求人数や求職者の数値を取得した期間にあります。
求人倍率が1ヶ月間の数値を取得して計算するのに対し、有効求人倍率は前月の数値を繰り越して計算します。
そのため、有効求人倍率は、計算された時点での景気状況に即しているという特徴があります。
したがって、直近での求人状況を確認したい場合は求人倍率を、景気状況を加味した求人状況を確認したい場合は有効求人倍率を参考にするとよいでしょう。
施工管理が転職する理由3選
施工管理が転職する理由は次の3つです。
- 労働条件の不一致
- 仕事内容に満足できない
- 人間関係がつらい
1.労働条件の不一致
労働条件の不一致で転職する施工管理は多いです。
例えば、「休みが少ない」「給料が労働に見合っていない」といった理由が挙げられます。
労働条件は求人票を見ることである程度の予測ができますか、具体的な仕事内容や人間関係などは実際に働いてみないとわかりません。
そのため、求職者は求人票をしっかりと確認しておくことはもちろん、社風や人間関係などを把握しておく必要があります。
2.仕事内容に満足できない
仕事内容に満足できないことで転職を考える人もいます。
施工管理の仕事は多岐にわたるため「仕事が覚えられない」「仕事量が多すぎる」といった悩みが原因で転職する人もいます。
また、施工管理は取得した資格によって任される仕事や規模が異なります。そのため中には資格が取得できず、理想とする仕事に就けない人もいるでしょう。
そういったことから不満が募り、転職をしてしまう人も多いです。
3.人間関係がつらい
人間関係がつらくなって転職をする人もいます。
特に施工管理は多くの人たちと関わり合いながら仕事を進めるため、人間関係に悩む人は多いです。
具体的には、現場の職人や作業員、現場外ではお客さんや近隣住民など、非常に多くの人と関わります。
多くの人と関わり合いながら仕事を進め、現場を完成させるというやりがいがある一方で、人との関わりをストレスだと感じる人も多いようです。
関連記事:施工管理 人間関係
【施工管理】求人媒体
施工管理になりたい人が活用したい求人媒体は次の通りです。
- ハローワーク
- 求人サイト
- 派遣会社
- 転職エージェンシー(人材紹介)
- 企業ホームページ
いずれの求人媒体も無料で活用できます。
以下にて詳しく見ていきましょう。
ハローワーク
ハローワークには地元に根付いた建設会社が多いため、地元で仕事をしたい人や小規模な中小企業で仕事をしたい人などにおすすめです。
また職業訓練などを行ってくれる場合もあるため、就職活動を経験したことがない人やフリーターにもおすすめできます。
ただし、ハローワークには規模の大きい会社が少ないため、規模の大きい会社に転職したい人にはあまりおすすめできません。
求人サイト
リクルートやマイナビといった求人サイトには中小企業から大企業まで、幅広い求人が掲載されています。
しかし、大手の求人サイトは掲載料がかかることから、地方の企業は掲載を控える傾向があります。そのため地方で求人を探す際は、転職エージェントと併用するなど工夫することが大切です。
派遣会社
派遣会社は、派遣元となる会社と契約したうえで建設現場で働きます。
派遣会社は、担当者にしっかりと自分が希望する条件を伝えることで、ライフスタイルに合った職場が見つかりやすくなります。
給与もパートより高いケースが多いです。また、初めて施工管理として働く人でもサポートを受けられるため、安心して働くことができるでしょう。
転職エージェンシー(人材紹介)
転職エージェンシーでは、人材紹介会社から建設会社を紹介してもらい、最終的には建設会社と契約します。
派遣会社との違いは「最終的にどちらの会社と契約するか」という点にあります。
転職エージェンシーと派遣会社、双方のメリットは次の通りです。
- 非公開求人を候補に加えられる
- 求職者にマッチした会社を選んでくれる
- 求人票の作成や日程調整などを代行してくれる
建設業界の知見がない人や、そもそも就活の経験がない人は活用しましょう。
企業ホームページ
企業ホームページにも求人情報が掲載されています。そのため、すでに就職したい企業が決まっている人や、自分でエントリーする企業を探したい人はホームページをチェックするとよいです。
また求人サイトや転職エージェンシーを利用する場合でも、企業ホームページは必ずチェックしておきましょう。ホームページでは、現場の写真や従業員ブログといった企業選びの参考になる情報を確認できるためです。
転職活動は、どれだけ多くの情報を集められるかが重要になります。そのため、候補となる企業の情報はできるだけ多く集めておきましょう。
施工管理が求人を探す際に重要なポイント
施工管理が求人を探す際に重要となるポイントは次の4つです。
- 工事・現場の種類
- 待遇面
- 企業の将来性
- 選考のプロセス
工事・現場の種類
工事と現場には複数の種類があります。そのため、求人を探す際は携わりたい工事や現場を明確にすることが大切です。
何となくのイメージで選んでしまうと「自分に合っていないのでは」と思うようになり、早期退職につながるリスクがあります。
何となくで覚えている人は、施工管理の種類を解説している記事を確認することをおすすめします。
待遇面
待遇面も要チェックです。特に施工管理を目指す人がチェックしておきたいのは「資格支援制度があるか」「休日の頻度」などについてです。
施工管理は資格の有無によって任される仕事や得られる給与が大きく変わってきます。よって、施工管理としてご飯を食べていきたい人は、資格の取得が必須となることから支援制度の有無が重要になるのです。
その他にも休日、給与、福利厚生といった待遇は必ず求人票に書かれているためチェックしておきましょう。
企業の将来性
長期的に同じ企業で働きたい人は、その企業の将来性を見ておきましょう。将来性のない企業に転職してしまうと良い待遇を受けられないためです。
企業の将来性をチェックする際のポイントは次の通りです。
- 創業年数が長いか
- 企業が上場しているか
- 働き方改革を推進しているか
- 官公庁やゼネコンなどの大手との取引きがあるか
上記のポイントに多く当てはまる企業ほど将来性があると考えてよいです。大手やホワイト企業ほど多くのポイントが当てはまるでしょう。
ただし、大手やホワイト企業へ入社するのは難しいため、全体的なバランスを見ながら企業を選ぶことが重要になります。
選考のプロセス
選考プロセスをチェックしておくことでスムーズに転職できます。事前に把握しておけば準備に時間をかけたり、無駄な時間をカットできるためです。
たとえば、面接が苦手な人が事前に面接の数を確認しておくことで、しっかりと準備に時間をかけられます。面接の回数が多い企業を選択肢から外しておけば転職を効率化できるでしょう。
また、選考にかかる期間などを見ておくことも重要になります。転職は長引くほど、ブランクが長くなる、資金がかかる、などのデメリットを被るためです。
転職の際はこれまでに紹介したポイントを踏まえ、多角的な視点をもって臨みましょう。
まとめ
本記事では「施工管理の求人倍率」「施工管理が転職しやすい理由」などを紹介しました。
施工管理の求人倍率は、一般的な職業よりも高い傾向があります。その理由としては、建設業の需要が高い、企業の母数が多いなどが挙げられるでしょう。
しかし、売り手市場だからこそ、選ぶ側はより慎重になる必要があります。適当に企業を選ぶと後になって後悔する可能性があるためです。
自分に合ったホワイト企業に転職したいと考えている人は、転職のプロである転職エージェントに相談するなどして、少しでも成功の確度を上げましょう。
百田 遼太郎