施工管理の業務量は多いため、工事を行えないような雨の日でも、行える業務はたくさんあります。
雨の日にできる仕事を片付けておくことで、工期通りに工事を完了させやすくなるでしょう。
そこで本記事では、施工管理が雨の日にできる10の仕事を紹介します。
仕事を効率化し「工期にしっかりと工事を完了させたい」と考える施工管理技士の方はぜひ参考にしてください。
施工管理が雨の日にやる仕事
施工管理が雨の日にやる仕事は次の通りです。
- 進捗確認
- 施工計画の見直し
- 予算の見直し
- 業者への発注
- 現場写真の整理
- 工事記録の作成
- 図面の作成
- 請求書の作成
- 月報の作成
- 打ち合わせ
以下では、それぞれの仕事について詳しく解説します。
1.進捗確認
雨の日にまず行うべき仕事は進捗確認です。雨の日は工事がストップするため「明日以降の工期に支障が出ないか」という視点でしっかりと確認しておきましょう。
また、雨の影響で資材や機材が損傷していないかを確認することも大切です。破損などがある場合は補修や交換手配を行います。
2.施工計画の見直し
施工管理が室内で行える作業として、施工計画の見直しがあります。
そのほかにも設計書類の整備、必要となる資材の確認などを行うこともおすすめです。
3.予算の見直し
雨の影響で工事の予定がズレると予算にも影響を与えます。
具体的には、人材を増やす必要があったり、追加で資材が必要になったりする場合に予算を見直す必要があります。
施工管理の主要業務である原価管理に関わる仕事でもあるため、十分に注意しながら業務にあたりましょう。
4.業者への発注
業者への発注も雨の日に行える業務の一つです。とくにリース品などは使用できる期間が限られているため、追加での発注が必要になりやすいです。
工事当日にリース品を使えない、資材が足りない、といったことになると更に工期をひっ迫させてしまうため注意しておきましょう。
5.現場写真の整理
施工管理は工事が進むごとに、現場の写真を撮影して保管します。
写真は膨大な量になるため後回しにせず、雨の日にまとめて整理・管理するとよいでしょう。
6.工事記録の作成
雨の日には工事記録を作成しましょう。工事記録とは、工事の進捗を記録することです。
何かの間違いがあった際でも工事記録があれば責任の所在を明白にできます。
議事録の作成なども雨の日に片付けると楽になるでしょう。
7.図面の作成
工事の図面作成や確認も雨の日に行いたい業務の一つです。
図面に間違いはないか、図面と現場で異なる点はないか、などを確認しておいてもよいでしょう。忙しいときよりも細かいポイントをチェックできるため、工事の精度も上がりやすくなります。
8.請求書の作成
雨の日は請求書を作成することもおすすめです。
具体的には、工事を進めるにあたって必要となる資材、人材、リース品などの請求書を作成します。
9.月報の作成
月報とは工事を進行するうえで発生する問題点や改善点、進行状況などをまとめるものです。
事務作業を行う時間を確保できる雨の日に月報を作成して、プロジェクト進行を円滑にしましょう。
10.打ち合わせ
雨の日で外の作業ができない日は訪問や打ち合わせを行い、今後の予定を立てておきましょう。
関係者と連絡をとって次のスケジュールを明確にしておけば、作業が遅れることを未然に防げます。
【その他】施工管理が雨の日にやる仕事
この他にも雨の日の施工管理には、以下のような仕事があります。
雨漏り対策の確認
雨の日には建物内外の雨漏りを防ぐために屋根や外壁の状態をチェックし、必要な対策を講じることが重要です。
安全対策の確認
雨天時は滑りやすくなります。そのため作業員の安全を確保するために、滑り止めの敷設や適切な安全装置の使用を確認します。
作業計画の見直し
雨の影響によって作業の進行に支障がある場合、スケジュールを見直して最適な作業手順を決定します。
資材の保護
雨による水濡れを防ぐために、建設資材や機器を適切にカバーして保護します。
建物内の作業
屋内作業に切り替えることで、雨の影響を最小限に抑えられます。具体的には内部の仕上げ作業や設備工事などを進めます。
周辺の状況確認
雨の影響により周辺地域の状況が変化する可能性があるため、近隣の住民や交通状況を把握して対応策を検討します。
計画変更のコミュニケーション
天候の変化による作業計画の変更が必要な場合、関係者に対して迅速かつ適切にコミュニケーションを行います。
施工の品質管理
雨による悪天候が建築物の品質に影響を与えないよう、品質管理を厳格に行います。
ドレナージの確保
施工現場内の雨水の排水を確保するために、適切なドレナージシステムを確認します。
このように、施工管理が雨の日にできる仕事はたくさんあります。雨の日には、工事で忙しい日にできない業務に取り組みましょう。
雨の日は施工管理以外の仕事は休みになることも
雨の日は施工管理以外の仕事は以下の理由により、休みになることがあります。
- 雨水に晒されると品質が低下してしまう
- 雨が降って地場が滑りやすくなり作業に危険が伴う
このような理由により、一部の仕事は完全に停止します。停止になる具体的な仕事内容は次の通りです。
コンクリート打設関連の仕事
コンクリートの打設中に雨が降ると、コンクリートの品質に影響を与えてしまうため、雨の日は基本的に作業を中止します。ただし、打設後しばらく時間が経っていれば、雨が降っていても問題ないことが多いので、作業を実行する場合もあります。なお、作業を実行するか中止するかの判断は、施工管理職が行います。
左官工事
左官工事も雨が降ると、仕上がりに影響を及ぼしてしまうため作業を中止します。ただし、屋内で作業する場合は休まずに続行するケースが多いです。
鉄筋ガス圧接作業
ガス圧接作業に限らず、火を使う作業は基本的に中止します。
溶接作業
雨水が当たると急激な温度変化により材料が変形し、ヒビが入るなど、品質に悪い影響を与えてしまいます。
ほかにも、感電などの危険があるため、基本的に作業は中止です。ただし、屋根のあるところや雨養生が行える場所では、雨でも行う場合があります。
まとめ
本記事では「雨の日に行う施工管理の仕事」「雨の日中止になる仕事」などを紹介してきました。
施工管理は雨の日になると中止になる仕事がありますが、仕事の幅が広いため室内でできることも数多くあります。
室内でできる仕事をしておくことで納期に頭を悩ませることも少なくなるでしょう。
したがって、施工管理は雨の日にできることを把握しておき、業務の効率化を図ることが重要と言えます。
百田 遼太郎