施工管理で多い退職理由には、労働時間の多さや人間関係などが挙げられます。円満退職するためには、しっかりと退職理由を考えておく必要があります。
そこで本記事では、施工管理に多い退職理由と円満退職の方法について詳しく解説していきます。
今の会社とトラブルを起こすことなくお別れし、新しい職場で気持ち良く働きたい人はぜひ本記事を参考にしてください。
【施工管理】多い退職理由5選
施工管理で多い退職理由は次の通りです。
- 労働時間が長い
- 休日が少ない
- 人間関係がきつい
- 業務量が多い
- 資格取得が難しい
1.労働時間が長い
施工管理は労働時間が長い傾向にあります。例えば、朝は朝礼の準備等で8時〜8時30分に出勤し、夜は18時または18時30分から書類作成等のデスクワークがあります。
しかし、現在は働き方改革の影響もあり、施工管理の勤務時間は減少傾向にあります。
詳しくは施工管理の働き方改革について解説している記事をご覧ください。
2.休日が少ない
施工管理の退職理由として、休日が少ないことも挙げられます。工期が迫ると現場を仕切る施工管理の負担が大きくなるためです。逆に予定より早く工事が進んでいる場合は、早めに帰宅できる日もあります。
しかし、建設現場にはトラブル等が付き物であるため工期がひっ迫し、施工管理が休日を返上することも少なくありません。休日が少なくなり、家族との時間がとれないことから退職を申し出る人もいます。
とはいえ、前述の通り建設業界では36協定を中心とした働き方改革が進んでいるため、しっかりと休日を取れている施工管理は増加しています。
3.人間関係がきつい
施工管理は、作業員や職人といった現場の人たちだけでなく、施主や近隣住民とも関わりながら仕事を進めます。
多くの人とコミュニケーションをとる必要があるため「人間関係がきつい」と思うこともあるでしょう。
どの職場においても人間関係がきついことが退職理由になりやすいですが、施工管理の仕事ではとくに多いかもしれません。しかし、こういった職場を経験することで折衝力やコミュニケーションスキルといったどの業界でも通用するスキルを身につけることが可能です。
4.業務量が多い
施工管理は業務量が多いです。施工管理は、写真撮影や指揮管理といった現場での仕事に加え、事務作業もあります。とくに慣れないうちはスムーズに業務を進められないため「他の仕事より大変なのでは?」と思うこともあるでしょう。
しかし、近年では建設業でもデジタル化が進んでいるため、業務の負担は着実に軽くなっています。デジタル化は今後さらに進むことが予測されているため、業務に対する辛さを感じる人も減っていくでしょう。
5.資格取得が難しい
施工管理は、施工管理技士の資格を取得することでキャリアアップや年収アップを目指しますが、施工管理技士の資格は国家資格であるため難易度が高く、誰でも簡単に取れるものではありません。
そのため、中には「施工管理技士の資格が取得できない」といって退職する人もいます。
施工管理が円満退職したい時の手順
施工管理者が円満退社したい時の手順は次の通りです。
- タイミングを決める
- 個人的な退職理由を決める
- 退職の意思が強いことを伝える
1.タイミングを決める
退職することを告げるタイミングを決めましょう。退職日は1〜2カ月先に設定するのがおすすめです。就職先がすでに決まっている場合は1カ月先でも問題ないですが、まだ決まっていない場合は期間にゆとりをもたせることが大切です。
また、会社規定に「○○日前に報告すること」と定められている場合があるため、事前にチェックしておきましょう。
2.個人的な退職理由を決める
退職理由が明確になるように、個人的な内容にしましょう。また、ネガティブなものでなく、ポジティブなほうがよいです。ネガティブな退職理由にしてしまうと上司との間に亀裂が生まれ、円満退社しづらくなってしまう可能性があります。
そのため、たとえば「新しい会社に属してキャリアアップを目指したい」といった内容が望ましいです。
休日が少ないから、給料に不満があるから、などの退職理由は「休日を増やすよ」「給料上げるから残ってほしい」と言われる可能性があるため、できれば控えましょう。
3.退職の意思が強いことを伝える
退職の意思が強いことをハッキリと伝えましょう。退職の意思が弱いことを悟られてしまうと、上司に引き止められるためです。
また、強い意志を示すことで退職に対する真摯な気持ちも伝わるため、円満退社にもつながりやすくなります。
施工管理におすすめの転職先
施工管理におすすめの転職先は次の通りです。
- 施工管理職としてキャリアアップする
- 同業界で探す
- 不動産業界
1.施工管理職としてキャリアアップする
これまでの経験をフルで活かしたい場合は、施工管理職として更なるキャリアアップを目指しましょう。給与や休日の少なさなどに不満がある人はゼネコンなどの大手企業へ転職するのがおすすめです。
大手への転職が難しい場合は、今よりも給与を減らすことでライフワークバランスのとれた企業に転職することも可能です。
基本的に給与や休日といった待遇の要素をすべて取るのは難しいため、事前に優先順位を決めておくことも重要になります。
2.同業界で探す
施工管理の経験を少しでも活かしたい人は、同業界での転職を検討しましょう。
たとえば、ハウスメーカーに就職すれば施工管理の経験を活かすことができるため、就職も優位に進められます。
また、現場仕事から離れたい場合は、ゼネコンの営業や自治体の土木部門で公務員として働くという選択肢もあるでしょう。
「いろいろな仕事を見たいけどあまり詳しくない」という人は、建設業界を含む他業界にも詳しい転職エージェントに相談するとよいでしょう。
3.不動産業界
他業界での経験を積みたい人や興味がある人は不動産業界がおすすめです。不動産業界であれば、施工管理で培った経験や知識を活かせます。
また大規模な不動産開発を請け負うディベロッパーになれば、施工管理に業務を発注する側として仕事することも可能です。
不動産業界と建設業界、どちらにも多様な仕事があるため、就職後の公開を未然に防ぎたい人は、転職エージェントへの相談を検討してみてください。
【施工管理】履歴書・面接での退職理由の伝え方
履歴書や面接で退職理由を伝える際のポイントは下記の通りです。
- ポジションな印象を与える
- 誰にでも当てはまるような内容にしない
- 矛盾していない納得感のある内容にする
同じ施工管理職(施工管理→施工管理)に転職する際の例文は以下を参考にしてください。
私が貴社を志望したきっかけは、貴社の取り組む建設に携わりたいと思ったためです。これまで施工管理として働く中で、より規模が大きく、人々に様々な影響を与えるような建物の建設に関わりたいと考えるようになりました。そんな中、貴社が携わった建物を見て、自分が持つ想いを叶えられると確信しました。ぜひ私も、貴社が手がける建設に携わる一人となり、後世に残る建造物を残したいと考えております。
まとめ
本記事では「施工管理に多い退職理由」「施工管理が円満退職する際の手順」などを紹介しました。
施工管理はまだ働き方改革が完全には進んでいないため、休日の少なさや給与への不満を理由に退職する人が多い傾向にあります。
そういった中で大切なのは、しっかりと円満退職し、後悔のない会社に転職することです。
今の会社にしこりを残した状態では次の会社で気持ちよく働けないため、本記事で紹介した内容をもとに円満退社を目指しましょう。
次の転職先に悩んでいる人は、転職のプロである転職エージェントに相談してみましょう。
百田 遼太郎