職務経歴書の効果的な書き方は業界や職種によって異なります。つまり、施工管理には施工管理の書き方があるということです。
そのため、書き方を誤ってしまうと採用担当者に「あまり施工管理のことを知らないんだな」と思われてしまうこともあります。
そこで本記事では、内定獲得率が上がる職務経歴書の書き方と、具体的な例文を紹介します。
施工管理に応募する人で、内定につながる職務経歴書を作成したい人はぜひ参考にしてください。
【施工管理】職務経歴書とは?
職務経歴書とは、これまでに従事した職務や職業上の地位などを具体的に記入する書類です。
ただし、これまでの経歴をすべて記入する必要はありません。
施工管理職に応募する場合は、施工管理の仕事に関連した経歴を重点的に書きます。
また、職務経歴書は、自分の職歴を時系列で記入するのが基本となっており、履歴書とともに提示されるケースが多い点に留意しておきましょう。
職務経歴書を書く際のコツと、詳しい書き方については後述します。
【施工管理】職務経歴書を書く際のコツ
職務経歴書を書く際のコツは下記の通りです。
- わかりやすく端的にまとめる
- 実績と経験を書く
- 重要な情報を書き忘れない
施工管理に応募する人はぜひ参考にしてください。
1.わかりやすく端的にまとめる
あれもこれも記入しようとすると内容が冗長的になり、本当に伝えたいアピールポイントが伝わりづらくなります。そのため、職務経歴書を書く際は、わかりやすく端的にまとめることが大切です。
ボリュームの目安として、A4用紙2~3枚程度に収めましょう。経験した業務についても全てを書くのではなく、基本的な内容だけにまとめて詳しいことは面接で説明するとよいです。
2.実績と経験を書く
職務経歴書には実績と経験を中心に書きましょう。土木施工管理であれば、道路や上下水道の工事を管理した経験を書き、建築施工管理の場合は、戸建て住宅や建築工事を管理した経験を書くとよいです。
数多くの現場で施工管理の経験がある人は、規模の大きい現場を抜粋したり、プロジェクトの種類ごとにまとめたりして書くのがおすすめです。
3.重要な情報を書き忘れない
重要な情報の書き忘れがないかを確認することも大切です。
下記の表を確認し、内容に過不足がないかをチェックしておきましょう。
チェックポイント | 具体内容 |
---|---|
いつ | 西暦で表記する |
どこで | 在籍していた企業、所属していた部署など |
何を | プロジェクトの種類、案件の内容など |
どれくらい | こなしてきた案件の数、現場の規模感など |
どんな立場か | 役職、役割、担当領域など |
何を成し遂げたのか | 職種名(建築施工管理、土木施工管理など) |
実績やエピソード | 顧客からの評価、生産効率など |
所有するスキル | 所有する専門知識や資格など |
応用できるスキル | 語学力、PCスキルなど |
【施工管理】職務経歴書の各項目のポイントと例文
職務経歴書に記載する項目は次の通りです。
- タイトル
- 要約
- 職務経歴
- 職務経歴の詳細
- 業務上の強みと専門性
- 保有資格
- 自己PR
以下では、各項目を書く際のポイントと例文を紹介します。
タイトル
採用担当者が一番最初に見るのがタイトルです。最後に書こうとして忘れる人も多いため注意しておきましょう。
タイトル欄に書く日付は、書類を作成した年月日を西暦で書きます。氏名はフルネームで記載し、名字と名前の間にはスペースを空け、本籍と同じ字で記載しましょう。このとき、タイトルは中央揃え、日付と氏名は右寄せに書きます。
要約
職務要約には、自分の経歴を要約して記載します。
採用担当者は、タイトルを見た後にこの要約欄を読んで続きを見るかどうかを決めます。そのため、分かりやすく簡潔に書くことはもちろん、興味を引く内容でなければなりません。具体的な数字を交えるなどして、自分の経歴に興味をもってもらいましょう。
職務要約の例文は下記の通りです。
職務経歴
職務経歴の欄には、これまでに入社した会社を時系列順ですべて記載します。
なお、勤めていた会社の名前が変わっている場合は、新旧の両方を書いておくと親切です。その際は「株式会社××(現○○株式会社)」というようにかぎ括弧を使って記載しましょう。
職務経歴欄の例文は下記の通りです。
年月日 | 経歴 |
19○○年 | 株式会社×× 入社 ××部配属 |
20○○年 | ××配属 |
20○○年 | 株式会社×× 退職 |
20○○年 | △△株式会社 入社 △△部配属 |
職務経歴の詳細
職務経歴の詳細では、勤めていた会社の詳細を記入します。「わざわざ書く必要あるの?」と思うかもしれませんが、採用担当者が会社の規模感を適切に把握するためになくてはならない項目です。
例文は下記の通り。
○○株式会社(19○年○月 ~ 20○年○月)
事業内容:建築一式工事に関する調査から施工までを担当
資本金 :5,000万円
売上高 :50億3,000万円(2023年度)
従業員数:380人(単体)
本社 :東京都××区××丁目
業務上の強みと専門性
次に、担当した業務や職位を書いて専門性をアピールします。その際、文章で説明すると分かりづらいため、可能であれば表で作成しましょう。
たとえば、建築施工管理の場合は、担当した施設の名前や業務を記載します。記載するプロジェクトの名前は、応募先によって変えましょう。
具体例は下記の通りです。
期間 | プロジェクト概要 | 担当業務 | 職位 |
20××年×月~20××年×月 | 東京都○○区 マンション新築工事・地下 2階 地上38階 △△戸 | 施工管理者として、工程管理、作業員への指示、資材発注業務等を担当。 | 現場代理人 |
20××年×月~20××年×月 | 東京都○○区 ビル新築工事・地上33階 ○○戸 | 施工管理者として、工程管理、安全管理、作業員への指示伝達等を担当。 | 現場代理人 |
保有資格
施工管理に関わる資格はすべて記載しましょう。所有している資格と業務のマッチ度が高ければ採用率も上がります。
保有資格の記載例は下記の通りです。
取得年月日 | 資格名 |
20××年 | 普通自動車第一種免許 取得 |
20××年 | 2級建築施工管理技士 取得 |
20××年 | 1級建築施工管理技士 取得 |
自己PR
自己PR文には、リーダーシップ、スケジュール管理力、コミュニケーションスキルなど、施工管理者にとって必要とされるスキルを記載します。その際、企業が求めている人材像や経験などを汲み取ったうえでアピールすることが大切です。
自己PR文の例文は下記の通り。
建設物の設備施工管理を○○年経験しています。その内、現場代理人として○年○件の新築物件を担当しました。
その他にも、照明器具増設工事、自動車ショールーム改修工事なども並行して従事していました。建設工事に関する総合的なスキルと知識、電気設備の経験があります。
施工管理に求められるスキルについても言及しよう
施工管理に応募する際、自己PRなどで言及したいスキルは次の通りです。
- 継続力
- コミュニケーション能力
- 臨機応変さ
1.継続力
工事により工期は異なりますが、大規模なプロジェクトになると数年から数十年をかけて工事が行われることもあります。工事が長期になるほど関わる人が増えるため、コミュニケーションを頻繁にとったり、コツコツと業務を継続させたりすることが重要になります。
そのため、継続力に自信がある人や具体的なエピソードがある人は、職務経歴でもその点について言及しましょう。
2.コミュニケーション能力
施工管理は、現場の作業員や職人をはじめ、施主や近隣住民などさまざまな人と関わり合いながら工事を進めるため、コミュニケーション能力が求められます。
そのため、職務経歴書には「どのようにして関係者に協力を促したか」「現場の人たちと関係性を深めるうえで大切にしていること」などが分かるようなエピソードや具体例を記載し、コミュニケーション能力をアピールしましょう。
3.臨機応変さ
施工管理が担当する建設現場では、資材の未着や悪天候といったトラブルが日常的に起きます。そのため、施工管理者には、その場のトラブルを迅速に解決し、適宜スケジュールを調整する臨機応変さが求められます。
そのため、職務経歴書では「トラブル対応の際の引き出しの多さ」「どのようなトラブルにどういった対応をした経験があるか」などを記載し、臨機応変さをアピールしましょう。
まとめ
本記事では「施工管理が職務経歴書を書く際のコツ」「施工管理が書く職務経歴書の項目と例文」などを紹介しました。
職務経歴書は、自分の経歴やアピールポイントを採用担当者に理解してもらうための重要な資料です。
また、応募先に合った的確なアピールを行うことも大切ですが、担当者にとって読みやすい資料を作ることも重要視されます。職務経歴書が見づらいと最後まで読んでもらうことすらしてもらえないためです。
そのため、職務経歴書を書く際は、本記事で解説したコツと例文に沿った見やすい文章や表の作成を心がけましょう。
着工から納品までの現場代理人業務を経験
施主、各諸官庁との打合せ及び検査の立会い業務を経験
マンション、ビル、自動車整備工場、ショールーム等を経験