新型コロナウイルス感染拡大の影響により、あらゆる業界・業種でのリモート化が進んでいます。もちろん建設業界も例外ではありません。
本記事では、施工管理のリモートワーク事情やリモート化の進み具合などを紹介します。
施工管理としてリモートワークで働きたい人や、リモート化の現状などを把握しておきたい人はぜひ参考にしてください。
施工管理の仕事内容とは
施工管理の主な仕事は、建設現場の指揮をとり建造物を完成させることです。
完成に至るまでには、四大管理と言われる管理業務を行い、これが施工管理者の主な仕事となります。
四大管理とは、予算、工事の進捗、人員の安全、建造物の品質を管理することです。近年では周辺環境の管理を加え、五大管理と呼ばれることもあります。
施工管理の仕事をリモートワークで行うメリット
施工管理の仕事をリモートで行うメリットは次の通りです。
- 生産性の向上
- 移動時間の短縮
- 人材育成の効率化
- トラブルへの対応力の強化
それぞれのメリットについて解説します。
1.生産性の向上
施工管理の仕事をリモート化することで生産性を向上させことが可能です。
たとえば、施工管理者が現場に移動する負担を減らすことで、体力面や移動費などをカットできます。
体力面を温存することができれば仕事の生産性が向上できるでしょう。
2.移動時間の短縮
施工管理の仕事をリモート化することで移動時間の短縮にもなります。
たとえば「本社で現場の状況をリモートで確認して指示を出す」といったことが考えられます。現在でも本社と現場の距離が離れている場合は、リモートで管理するケースが多いです。
施工管理者は複数の現場をかけ持ちすることが多いため、移動せずに現場を管理することで大幅な時間短縮につながります。
3.人材育成の効率化
施工管理者は仕事の幅が多く、感覚で行う部分もあるためマニュアル化が容易ではありません。そのため、建設業界では以前から人材育成に課題感をもっていました。
しかしリモート化により、この課題も解決することが可能です。
たとえば、勤務歴が長いベテランの施工管理者が仕事している様子をリモート化し、新人に見てもらうことで育成を効率的に行えます。
また仕事の様子を動画にすれば研修用としてさらに人材育成を効率化することも可能です。
4.トラブルへの対応力の強化
建設現場では、天候や事故といったトラブルが頻繁に起きます。そうしたトラブルに対してもリモート化が役立ちます。
従来の現場では事故が起きた際、まずは責任者にメールや電話で連絡が届き、そこから施工管理者に相談するという流れが一般的です。
しかし、リモートで建設現場を確認することができればトラブルに対する指示を迅速に出すことができます。
このように、施工管理の仕事をリモート化することにはさまざまなメリットがあるのです。
施工管理のリモートワーク3選
施工管理が行っているリモートワークは次の通りです。
- クラウド管理業務
- 現場の写真整理
- オンライン打ち合わせ
近年ではこれらの仕事が常態化しつつあります。
それぞれがどういった仕事なのかを見ていきましょう。
1.クラウド管理業務
クラウド管理業務とは、インターネット上で情報を共有しながら仕事を進めたり管理したりすることです。
以前は従業員名簿や施工図といった書面をすべて紙で管理していたため、やり取りをする際に多くの手間がかかっていました。
しかし、それらの紙媒体をクラウドで共有することにより、どこからでも情報にアクセスできるようになります。
また保管しておくべき資料や、クライアントに共有する機会が多い書類などをまとめておくこともできます。これにより、保管にかかるコストやメールなどの手間を削減することが可能です。
2.現場の写真整理
現場の進捗状態などを確認するうえで写真の撮影は欠かせません。またその量は膨大になるため、整理することも施工管理の重要かつ大変な仕事の一つです。
しかし現在では、現場の写真をとることで自動で仕分けし、整理してくれるアプリがあります。さらに整理した写真をクラウド上で管理することも可能なため、施工管理者の業務量を大幅に削減することに成功しています。
3.オンライン打ち合わせ
建設現場での作業はさまざまな会社に外注するため、打ち合わせの機会は非常に多いです。
これまでは対面での打ち合わせがほとんどだったため、施工管理者は打ち合わせだけで1日が終わる、なんてこともありました。
しかし現在ではzoomなどを利用したオンライン打ち合わせが増えているため、時間を大幅に削減できています。
オンライン打ち合わせのみであれば自宅でも可能なため、施工管理者の負担軽減にもつながるでしょう。
施工管理が抱えるリモートワークの課題
建設業界では、まだ完全にリモート化が終わっているわけではありません。むしろITによるリモート化は途中段階にあり、リモート化に慣れていない人が多いという現状があります。
そのため、施工管理者はリモート化がスムーズに進むよう、作業員に説明したりリモートを仕組み化したりする必要があります。
ただ導入するだけでなく、有益なものとなるよう活用してもらうことも大切です。
また、IT環境を整備しておくことも重要になります。とくに施工現場によっては通信環境が悪く、ITを導入しづらい場合もあります。
こういった環境でもスムーズにリモート化できるよう、会社と話し合いながらベストな環境を構築することが求められるでしょう。
まとめ
本記事では「施工管理の仕事をリモート化するメリット」「リモートで行っている施工管理の仕事」などを紹介しました。
施工管理は仕事の幅が広いため、リモート化による効率化はいまや欠かせないものとなっており、現在では多くの会社でリモート化が進んでいます。
とはいえ、すべての会社にリモートワークが導入されているわけではありません。
ご自身の都合などで施工管理(リモートワーク)として働きたいという人は、転職エージェントに相談してみるとよいでしょう。
百田 遼太郎