施工管理は資格なしでも働けます。
本記事では「なぜ資格なしでも施工管理の仕事ができるのか」という点を深堀りしつつ、資格の必要性について解説します。
後半では無資格で就職・転職をする際のコツについても紹介しますので、これから施工管理を目指す人はぜひ参考にしてください。
施工管理は無資格でも働ける?
施工管理は無資格でも働けます。施工管理技士という資格があるため、資格なしでは働けないと思っている人も多いですが、資格を持たずに施工管理として働いている人は多くいます。
実際、Web上の転職サイトなどをみても「未経験可」「資格なしOK」と記載された求人票は多いです。
また、資格なしで働いている人の中には、有資格者と同等レベルのスキルや知識を持っている人もいます。
したがって、施工管理は無資格でも前線で活躍することは十分に可能だと言えるでしょう。
実務経験がなくても施工管理はできる?
実務経験がなくても施工管理はできます。その理由は次の通りです。
- 需要に対して供給が間に合っていない
- 建設業界の高齢化が進んで人材が不足している
- 団塊世代の退職が見込まれ人材育成を急速に進めている
上記の通り、施工管理は人材不足の影響から、多くの人材を欲しています。
また、施工管理の仕事は、工程管理や品質管理など、専門的な業務がありますが、最初は先輩にあたる従業員のサポートから仕事を学ぶケースが多いです。そのため、未経験でも問題なく施工管理を勤められます。
施工管理を続けるなら資格は取得するべき?
施工管理を続けながら年収やキャリアをアップさせたい人は、資格を取得するべきです。
以下では、施工管理になりたい人におすすめしたい下記の資格について解説します。
- 2級建築施工管理技士
- 1級建築施工管理技士
2級建築施工管理技士
2級建築施工管理技士を取得することで主任技術者になることができるため、仕事の幅が広がり、年収アップやキャリアアップにつながります。
主任技術者は、建設工事現場に配置することが義務付けられていることから人材としての市場価値が高く、需要が非常に高いためです。
2級建築施工管理技士を獲得できるまでの必要年数は、学歴によって異なりますが、基本的に中卒・高卒の人でも取得できます。
大学を出ている場合は、指定学科でなくても1年6カ月以上の実務経験があれば第二次試験(最終試験)を受けることが可能です。
中卒の場合は実務経験を8年以上積むことで受験資格を得られます。高卒の場合は4年6カ月の実務経験が必要です。
なお、第一次試験は17歳以上であれば誰でも受験資格があります。
これから将来にわたって施工管理を続けたいと考えている人は、早い段階から資格取得を見据えておくとよいでしょう。
1級建築施工管理技士
1級建築施工管理技士は、2級建築施工管理技士を取得した翌年から第一次試験の受験資格が与えられます。
1級建築施工管理技士の第一次試験に合格すると新規資格の「施工管理技士補」が付与され、転職や仕事に活かすことが可能です。
施工管理技士補を取得することで従事できる業務は次の通りとなっています。
- 工程管理
- 品質管理
- 予算管理
- 資材発注
- 施工計画の立案
- クライアントとの打ち合わせ
- 社員への指導
このように、士補の取得により仕事の幅が広がるため、建設業界での市場価値が高まります。自身の市場価値を高めることで、転職やキャリアアップを有利に進められるようになるでしょう。
また、建築施工管理技士補を取得すれば第一次試験が免除になるため、何度も第二次試験を受験することが可能です。
ちなみに2級建築施工管理技士の第一次試験を突破することで「2級建築施工管理技士補」が付与されますが、1級と比べると業務の幅が広がるわけではないため大きなメリットはありません。しかし、これから就活する人は面接官へのアピールになるため取得をおすすめします。
詳しくは、受験資格や各資格の特徴などについて解説している記事を参考にしてください。
施工管理の資格は働きながら取得が可能
2級建築施工管理技士は、施工管理として働きながら取得することが可能です。
仕事をしながら資格試験の勉強を進めるのは少しハードですが、長期的な計画を立てて勉強を進めれば日常生活にも差し支えはありません。むしろ仕事をしながらのほうが実技と紐づけられるため、効率的に勉強を進められます。
ただし、2級建築施工管理技士を受験するためには、前述した通り実務経験が必要になります。実務経験がない人はまず、施工管理として働ける環境を探すことから始めるとよいでしょう。
【資格なし】施工管理の仕事な必要こと
資格なしでも下記3つを持っていれば仕事を円滑に進められます。
- コミュニケーションスキル
- 仕事に対する熱意
- 自己分析
資格なし、もしくは未経験から施工管理を目指したい人は参考にしてください。
1.コミュニケーションスキル
施工管理の仕事は、現場にいる職人や作業員など、異なる業種の人とやり取りをしながら工事を進めます。そのためコミュニケーションスキルは、仕事をするうえで必須のスキルです。
また単純に他人と親しくなれることも大切ですが、施工管理の仕事では相手の主張を聞き、的確な指示やアドバイスをする能力も求められます。
2.仕事に対する熱意
仕事に対する熱意をもつことは非常に重要です。
前述の通り、施工管理の仕事ではさまざまな人とコミュニケーションをとりながら現場の指揮に努めます。そのため、仕事に熱意がなかったり、適当な仕事をしたりすると周りのスタッフに悪い影響を与えてしまう可能性があります。
逆に熱意をもって仕事をすれば現場の職人や大工さんに想いが伝わり、工事がスムーズに進みやすくなるでしょう。また、仕事に熱意をもつことで相手に言葉を汲み取ってもらいやすくなるため、働くうえでのストレスを軽減することにもつながります。
面接や就活の場面でも「資格を取得してどんどん業務の幅を広げていきたいです」という熱意を伝えることで、面接官に良い印象を与えることが可能です。
しかし、黙々と作業に打ち込むだけでは、熱意が伝わらない場合もあります。そのため、仕事に対する熱意は、言葉や行動をもって伝えるように心がけましょう。
3.自己分析
施工管理を目指す際には自己分析も欠かせません。自己分析をすることで次のようなことを把握できるためです。
- 自分の強みや弱み
- 自分にマッチしている会社や求人
- どのようにキャリアプランを築きたいのか
これらを把握することで、就職や転職はもちろん、スムーズなキャリアアップにもつながります。
自己分析では、自分の経験やこれまでのキャリアや、自分がどんな仕事に対してやりがいを感じるか、などを分析します。
自分のことを理解し、言語化できるようになれば施工管理になる際の面接を優位に進められるでしょう。
まとめ
本記事では「資格なしでも施工管理として働ける理由」「施工管理に必要なもの」などを紹介しました。
施工管理の仕事は資格なしでも勤めることが可能です。しかし、キャリアアップや年収アップを目指す場合は資格が必要になります。
そのため、施工管理の仕事を長期にわたって続けたいと考えている人は、実務経験を積みながら資格の勉強を行い、資格取得を目指す必要があります。
資格を取得すれば業務の幅が増え、任せられる仕事が増えるため、転職や年収アップを優位に進められるでしょう。
百田 遼太郎