近年、施工管理は団塊世代の退職や若者離れなどが原因で深刻な人手不足に陥っています。そのため、建設業を営む企業は、未経験にまで門戸を広げて人材確保に力を入れています。
こういった一連の流れは、未経験の人にとっては大きなチャンスと言えるでしょう。
そこで本記事では、未経験の人が知っておくべき施工管理の仕事内容や、施工管理のなり方などを紹介します。
未経験から施工管理へのチャレンジを考えている人はぜひ参考にしてください。
【未経験】施工管理技士の仕事内容
施工管理の主な仕事は、現場にいる職人や作業員などと連携をとりながらスケジュール通り工事を進めることです。
また、工事を管理する際は「安全が確保されているか」「予算内で工事が進んでいるか」「一定以上の品質を守れているか」などの点を常にチェックすることも求められます。
さらに施工管理は、現場での業務のほかに施工計画や申請書の作成といった書類作成も業務の一環です。
このように、施工管理の仕事は多岐にわたります。しかし、未経験で施工管理を任される場合、上述したすべての業務を担当するわけではありません。
最初は、経験の豊富な先輩に付いてひと通りの業務を実際に見ながら学びます。先輩に付いて一緒に作業する時間は企業によって異なりますが、未経験の育成に力を入れている企業は1年ほどの時間をかけて研修する場合もあるでしょう。
詳しくは、施工管理とはどのような職業なのかを解説している記事をご参考ください。
施工管理のやりがい
施工管理のやりがいは次のような点にあります。
- 大勢の人を率いて一つのものを作る
- 作ったものが大勢の人の助けになる
- 建造に中心となって携わった建設物が後世に残る
中でも、公共の建物などを建造し、人に感謝されたり嬉しそうな表情を見たりした際は「自分の仕事が社会貢献になっている」と強いやりがいを感じられます。
このようなやりがいは仕事のモチベーションにもつながるため、自己肯定感や日々の充実感が飛躍的に向上するでしょう。
施工管理の仕事に求められる3つのスキル
施工管理の仕事には下記3つのスキルが求められます。
- コミュニケーションスキル
- リーダーシップ
- マルチタスクへの対応力
1.コミュニケーションスキル
施工管理の仕事は、現場にいる作業員、大工さん、協力会社のスタッフなど、さまざまな人と連携をとりながら進めます。
そのため、年齢や性別を問わずに円滑なやりとりができるコミュニケーションスキルが求められます。
また、施工管理はただ話を聞いたり、会話ができたりするだけでなく、現場の状況に応じた適切なコミュニケーションをとる必要もあります。
したがって、これまで会社内でボーダレスに人と関わってきた経験や、サービス業での経験がある人は施工管理に向いていると言えるでしょう。
2.リーダーシップ
施工管理の仕事は、さまざまな業種の人たちを管理・指示しながら大規模な工事を進めます。
そのため、現場にいる人たちをまとめ、引っ張っていけるリーダーシップが求められます。
また、施工管理の仕事では一方的に指示を出すのではなく、職人や作業員の立場を考慮し、作業の意図を伝えなければなりません。
したがって、業界や業種を問わずにチームを引っ張った経験がある人や、チームワークを発揮して成功を成し遂げた経験がある人は施工管理に向いていると言えるでしょう。
3.マルチタスクへの対応力
施工管理の仕事は、工事現場の管理以外にも、図面作成や確認書類の作成といった事務作業も多いです。
そのため、施工管理の仕事には室内外に問わず、マルチタスクに対応する力も求められます。
また、施工管理は現場だけでも作業員の手伝い、全体のスケジュール管理などと業務が幅広いため、マルチタスクへの対応力が必要とされます。
したがって、営業職のように外勤と内勤、両方を担当するような部署で仕事した経験がある人は施工管理に向いています。
【未経験】施工管理の求人を探すポイント
未経験の人が施工管理の求人を探す際に押さえておきたいポイントは次の通りです。
- 会社概要を適切に把握する
- 未経験歓迎の会社を探す
- 自分の優先順位を明確にする
1.会社概要を適切に把握する
会社概要を適切に把握しましょう。一口に施工管理といっても会社によって作るものが全く異なるためです。
一軒家やマンションを作っている企業もあればトンネルなどのインフラを中心に作っている企業もあります。
そのため、施工管理の求人を探す際は自分が作りたいものを検索しましょう。自分のつくりたいものが見つかっていない人は「将来的に携わりたい建物」を見つけるとよいです。
たとえば「トンネルや道路のような人々の役に立つインフラ作りに携わりたい」という人は「土木工事 施工管理」「ビル 施工管理」といったワードで検索しましょう。
2.未経験歓迎の会社を探す
求人を探す際は、未経験歓迎の会社を中心に探しましょう。
また、未経験であるかどうかの確認に加えて、未経験を育成してくれる環境が整っているか、という点をチェックしておくとよいです。
たとえば、資格取得のサポートがある、研修期間が充実している、などの記載があれば未経験の人でも安心して応募できます。
気になる企業を見つけたらメモをしたり、サイト内の機能使って保存したりしておくとよいです。
ひと通り気になる求人を見たあとにもう一度吟味し、自分に合った企業を選定しましょう。
3.自分の優先順位を明確にする
「企業が多すぎて絞れない」という人は自分の優先順位を明確にしましょう。
たとえば「給料は少し安くてもいいから早めに帰りたい」という場合は、時間を優先して企業をみてそれ以外を切り捨てます。
逆に給料を優先したい人は、勤務時間や働く場所などを切り捨て、理想の給料を出してくれる企業を中心に見ます。
また、優先順位をまえもって決めておくことで、条件面でのミスマッチを事前に防げるというメリットもあります。
【未経験】施工管理の志望動機を作るコツ
施工管理の志望動機を作る際は、下記のコツを押さえましょう。
- 仕事に対する意欲の高さを伝える
- 施工管理で求められる人と自分の経験を照らし合わせる
- 志望動機の文字数は150~200文字(10行程度)を目安にまとめる
仕事に対する意欲を伝える際は「とにかく頑張ります」「誰よりも一生懸命に働きます」といった短絡的な内容でなく「資格取得を目指して実務経験を積みます」「貴社を牽引できるような施工管理技士になります」といった将来に目を向けた伝え方をしましょう。
また「なにをアピールすればよいのか分からない」という人は、先ほど紹介した「施工管理に求められる3つのスキル」と自分の経験がマッチするエピソードなどを記載するとよいです。
未経験の人は、施工管理未経験者に向けて志望動機の書き方を解説している記事をお読みください。パターンごとの例文も紹介しています。
まとめ
本記事では「施工管理のやりがい」「未経験で施工管理の志望動機を作るコツ」などを紹介しました。
施工管理の仕事を「未経験可」として募集している企業が増加しています。また近年では人材不足の影響から自社で施工管理を育成しようとする企業も増え、しっかりとした研修期間が備わっている企業も多いです。
施工管理は将来的にキャリアアップも可能な職種であるため「長く働ける仕事が良い」と考えている人は施工管理を目指してみてはいかがでしょうか。
百田 遼太郎