建設現場のリーダー的存在である施工管理は、どのような瞬間にやりがいを感じるのでしょうか。本記事では、施工管理のやりがいと向いている人の特徴などを紹介します。
後半では施工管理の仕事をすることで身に付くスキルなども紹介しますので、施工管理としてのキャリアを検討している人はぜひ参考にしてください。
施工管理の仕事内容
施工管理の主な仕事は、建設現場のスケジュール管理とデスクワークです。
施工管理は現場の朝礼がはじまる前に現場入りし、作業員が帰る18時台まで現場の作業を手伝ったり、現場の従業員を指示・管理したりします。
現場の従業員が帰った後は、必要書類や図面などを作成するデスクワークを行います。現場でトラブルなどがあり工期がひっ迫している際は、残業して仕事を終わらせることもあるでしょう。
また、施工管理には「四大管理」と呼ばれる重要な業務もあります。
施工管理でやりがいを感じる瞬間6選
施工管理の仕事でやりがいを感じる瞬間は次の通りです。
- 施工が完了したとき
- 社会貢献を実感したとき
- スキルアップしたとき
- 仕事を評価されたとき
- 高い給料をもらったとき
- 職人と良い関係を築けたとき
1.施工が完了したとき
施工管理は、作業員、職人、大工といった多種多様な人材をまとめながら工事を完成へと導きます。ときには悪天候や現場内のトラブルなどで悩まされることもあるでしょう。そんな中、工期内に施工を完了させたときのやりがいは非常に大きなものがあります。
数千万円もの予算がかけられた建設現場のリーダーをやり遂げたという達成感もあるでしょう。責任感が伴う仕事ではありますがその分、他の職業では味わえないやりがいや喜びを感じることができます。
2.社会貢献を実感したとき
施工管理として担当した建造物が完成し、社会に役に立っていることを実感したときにも大きなやりがいを感じます。
たとえば、トンネルや道路といったインフラの整備に関わった場合は、多くの人が利用しているのを見て「自分の作ったものが多くの人の役に立っている」と実感できます。ビルやマンション、一軒家などでも同様の実感を得られるでしょう。
また、建造物やインフラなどはこの先何十年も残り続け、マップや地図などにも掲載されます。それらを見るたびに自分の仕事が世間の役に立っていることを実感できます。そういった実感は仕事のモチベーションにもなるため、毎日の仕事に誇りや充実感を与えてくれます。
3.スキルアップしたとき
施工管理のやりがいはスキルアップをした際にも感じられます。
たとえば、施工管理の代表的な資格「1級施工管理技士」を取得すると、建設現場全体を統括するポジションである監理技術者になれます。また4,000万円規模の現場を担当できるようにもなるため、非常に大きなやりがいを感じられるでしょう。
また、スキルアップすると転職が有利になり、年収アップにもつながります。現在の建設業では自分のスキルや経験に合った給与がもらえるような仕組みが整っているため、給与面でも高い満足度を得られます。
4.仕事を評価されたとき
どの仕事にも共通することですが、仕事を評価されたときにもやりがいを感じられます。施工管理の場合は、工期通りに工事を完成させたり、急なトラブルにうまく対応したりした際に評価されることが多いです。
高い品質を保ちつつ工期内に工事を完成させた場合、発注者はもちろん所属する企業からも評価されるため大きなやりがいを感じられます。また、評価を受けるとさらに大きな現場を任せてもらえるようになったり、昇給したりなど成果が形になって表れるため、その際にもやりがいを感じられるでしょう。
5.高い給料をもらったとき
施工管理として高い給料をもらったときにもやりがいを感じるでしょう。施工管理は、資格を取得すると資格手当がつきます。また資格を取得して仕事の幅が増えると、それに伴い給与もアップします。
そのため、施工管理は30代にもなると400~500万円の年収を得ることが可能です。大規模な現場を担当した後に給料をもらう際は、より一層の喜びと達成感を感じられるでしょう。
詳しくは、施工管理の平均年収や年代ごとの年収などについて解説している記事を参考にしてください。
6.職人と良い関係を築けたとき
職人と良い関係性を築けたときにもやりがいを感じられます。職人には話しやすいフレンドリーな人も多くいますが、中には「そう簡単には認めない」といった昔ながらの職人もいます。そういった職人から認められた際には強いやりがいを感じられるでしょう。
なお。職人から認められると工事もスムーズに進みやすくなるため、職人と良い関係性を築くことはとても重要になります。現場には、職人以外にも作業員や大工など幅広い年齢層の従業員がいるため、それぞれと良い関係性を築くことも大切です。
施工管理に向いている人と向いていない人の特徴
以下では、施工管理に向いている人と向いていない人の特徴を紹介します。
施工管理に向いている人の特徴
施工管理に向いている人の特徴は次の通りです。
- コミュニケーションスキルがある
- リーダシップがある
- スケジュール管理ができる
- リスク管理ができる
- 自分の意見を伝えられる
- 体力がある
前述の通り、施工管理には幅広い年齢層の人たちに対し、円滑にコミュニケーションがとれるスキルが重要になります。また、現場を引っ張っていくためのリーダシップや、工期内に工事を完成させられるスケジュール管理なども重要になるでしょう。
しかし、コミュニケーションスキルやスケジュール管理などは、実務経験を積む中で自然と身に付けることができるため、最初からそれらのスキルを持っていなくても問題ありません。
未経験の場合は、コツコツと作業を続けられる継続力や、任せられた仕事を全うする誠実性などが大切です。
施工管理に向いていない人の特徴
施工管理に向いていない人の特徴は次の通りです。
- 建設業に興味がない
- 人と喋るのが極端に苦手
- 体力が他の人と比べて全くない
こういった特徴をもつ人はあまり施工管理に向いていないかもしれません。
しかし、建設業に強い興味関心を持ち「絶対に施工管理技士として一流の仕事ができるようになりたい」といった強い意思があれば、人と話すことが苦手でも、体力がなくても施工管理になれます。
「自分が施工管理に向いているか向いていないか分からない」という人は、一度現場で経験をしてみるとよいでしょう。実際に施工管理の仕事をすることで分かることは非常に多いです。
施工管理で身に付くスキル
施工管理の仕事をこなすことで身に付くスキルは次の通りです。
- コミュニケーションスキル
- スケジュール管理力
- 折衝力
折衝力とは、交渉の際に円滑なやり取りを行い、話の折り合いをつける力です。施工管理として経験を積むことで、この折衝力に加えてコミュニケーションスキルとスケジュール管理力が身に付きます。
この3つの力は、営業職、サービス職、事務職など、さまざまな職種で活かすことが可能です。そのため、施工管理としてある程度の経験を積めば、ほかの業界でも活躍できるようになるでしょう。
まとめ
本記事では「施工管理でやりがいを感じる瞬間」「施工管理に向いている人と向いていない人」などを紹介しました。
施工管理は、規模の大きい現場を管理し、完成に導くという大変な仕事ですが、その分非常に大きなやりがいを感じられます。
「そんな大変な仕事を自分でもできるのかな?」と不安に思う人は、まず実務経験を積むことから始めてみましょう。最初は先輩に付いて仕事を覚えられるため、未経験の人でも十分にチャレンジできます。
百田 遼太郎