未経験の女性でも施工管理でキャリアを築くことは可能です。
とはいえ、建設業界で働いたことがない人や、未経験の人は何かと不安なことも多いでしょう。
そこで本記事では、女性が施工管理に就くメリット・デメリットに加え、キャリアを築いていくうえで重要なポイントを紹介します。
施工管理はさまざまな魅力をもった人気の高い職種です。以下ではそんな施工管理と女性との相性についても解説します。
【結論】女性でも施工管理はできる
建設業界や施工管理の世界はかつて男性中心の領域でした。しかし時代は進化し、今では女性にも大きな機会やチャンスが広がっています。
そのため結論、女性でも施工管理として従事することは可能です。むしろ女性が独自にもつ視点や特性は業界に新たな価値をもたらしています。
また、施工管理での成功において性別は重要ではありません。重要なのは、適切なスキルと経験をもつことであるためです。
たとえば、建設プロジェクトの管理には計画、調整、コミュニケーション、問題解決のスキルが必要です。これらのスキルを習得し、実務経験を積んでいけば、性別に関係なく成功できます。
こういった理由からも、男性・女性を問わず、才能と情熱をもつ全ての人が建設業界におけるキャリアを追求し、成功を収めることが可能と言えるでしょう。
女性が施工管理になるメリット3選
女性が施工管理になるメリットは次の通りです。
- 名前をすぐに覚えてもらえる
- キャリアアップしやすい
- 女性独自の視点を仕事に活かせる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
1.名前をすぐに覚えてもらえる
建設現場において女性の施工管理はまだ珍しいことが多いため、社内や現場において印象に残りやすいです。
そのため、女性の施工管理は仕事仲間やクライアント、協力業者から名前をすぐに覚えてもらいやすく、コミュニケーションもスムーズに行えます。
コミュニケーションが重要視される施工管理において、名前を覚えてもらいやすいというのは大きなメリットになるでしょう。
2.キャリアアップしやすい
女性の施工管理は男性と同様に多くの機会が与えられるため、キャリアを築くことは十分に可能です。
たとえば、施工管理でのキャリアアップにおいて必須とされる資格は、一定の条件を満たせば誰でも試験を受けられます。資格取得者は貴重な人材であるため、取得に成功すれば多くの場合においてキャリアアップが約束されます。特に施工管理技士1級は業界でも足りていないため、取得すれば重宝されるでしょう。
それらに加え、前述したコミュニケーションのしやすさを活かすことができればキャリアアップにもつながりやすくなります。
3.女性独自の視点を仕事に活かせる
女性の施工管理は、独自の視点を仕事に活かすことができます。
たとえば、建設プロジェクトにおいて、デザイン、コミュニケーション、危機管理などの要素では女性の視点が重要視されます。また、そういった視点はプロジェクトに新たなアイデアや効果をもたらしたり、クライアントや利用者の期待を超える成果を生み出したりすることにもつながるでしょう。
このように、女性が施工管理になることにはさまざまなメリットがあります。加えて、女性が施工管理の道を進むことは、業界全体に多様性と新たな価値をもたらすことにもつながります。
女性が施工管理になるデメリット3選
女性が施工管理になるデメリットは次のような点にあります。
- 職場の設備が男性向け
- 育休や産休に対する不安
- 職場の雰囲気が合わない
それぞれのデメリットについて解説します。
1.職場の設備が男性向け
建設業界は伝統的に男性中心の職場環境であり、その多くの職場設備や制度は男性に合わせて設計されています。
たとえば、施工現場のトイレや更衣室などが男性向けで整備されていることがあり、女性施工管理者にとっては不便さや適応の難しさがあるかもしれません。
しかし、近年では女性の進出が増えていることから、男女どちらにも合わせた設計が行われるようになりました。今ではトイレのアメニティが充実するなど、女性でも安心して働ける環境が作られています。
2.育休や産休に対する不安
女性の施工管理が家庭との両立を図る場合、育休や産休に関する不安が存在します。建設業界はプロジェクトスケジュールに厳しい制約があり、長期間休暇の取得が難しいためです。
女性施工管理者は、育児と仕事のバランスを取りながら、キャリアを継続させる方法を模索する必要があると言えるでしょう。
しかしこの問題は建設業界に限ったものではないため、特別に危惧する必要はありません。
3.職場の雰囲気が合わない
前述の通り、建設業界は男性の比率が高いです。そのため、一部の建設現場や職場において、雰囲気が合わないこともあります。
コミュニケーションを取りにくいと思う環境はストレスが溜まりやすく、仕事をスムーズに進められない可能性もあるでしょう。
とはいえ、建設業界では女性の進出をサポートとする体制が整いつつあるため「女性だからという理由で仕事に支障が出る」といった状況にはなりづらいです。
以上のメリット・デメリットを考慮したうえで転職を検討しましょう。「転職の経験がないから不安…」という人は、転職のプロである転職エージェントに相談してみるとよいです。
【施工管理】女性のキャリアステップ
女性が施工管理としてキャリアアップをするうえで重要なポイントは次の通りです。
- 技術と経験を積む
- ネットワークを構築
- コミュニケーションスキルの向上
- 個性や特質を発揮する
各ポイントについて解説します。
1.技術と経験を積む
施工管理でキャリアアップをするためには、建設業界での技術的な知識と実務経験が欠かせません。
たとえば、プロジェクト管理、品質管理、安全管理などのスキルを磨き、実地経験を積むことが重要です。
そのため未経験の人は、所属する会社の教育プログラムやトレーニングを活用するなどして専門知識を習得し、少しずつキャリアアップの道を切り開いていきましょう。
2.ネットワークを構築
建設業界で精進を重ねていくためには、ネットワークの構築も重要になります。
たとえば、業界内のプロフェッショナルや同僚とのつながりを築くことで、情報や昇進の機会を得られやすくなります。
ネットワークは、業界団体やイベントに参加して多くの人とコンタクトをとることで構築できます。女性は母数が少ないため、ネットワークの構築においては有利になるでしょう。
3.コミュニケーションスキルの向上
男女を問わず、施工管理のキャリアアップにはコミュニケーションスキルが重要になります。施工管理は、非常に多くの人と関係を築く必要があるためです。
具体的には、プロジェクトメンバーや協力業者、クライアントなどと良好な関係を築かなければなりません。
また、それぞれと良い関係を築くためには、効果的なリーダーシップ、問題解決、調整能力などを養う必要もあります。
しかし、これらのスキルは仕事をする中で自然と身につくものであるため、最初からすべてを備えている必要はありません。
4.個性や特質を発揮する
個性や特質は、施工管理職での強みとなります。特に柔軟性、協調性、洞察力などはプロジェクトに新たな視点を提供し、チーム全体のパフォーマンスを向上させることができるためです。
そのため「女性は不向きなのかな?」などと引け目を感じず、自分らしさを活かす姿勢をもって仕事に臨むよう心がけましょう。
このように、女性がキャリアを築くためには技術的な向上だけでなく、ネットワークの構築、コミュニケーション力、個性を活かすことが大切です。
まとめ
本記事では「女性が施工管理になるメリット」「女性が施工管理でキャリアアップする際のポイント」などを紹介しました。
施工管理は未経験の女性でも活用することは可能です。その理由として、そもそも人手不足が続いているというのもありますが、女性も男性と同様に活躍できる資質が十分に備わっています。
しかし、会社選びを間違えてしまうと、活躍どころか長期にわたって働くことも難しくなります。たくさんある建設業界の求人から、自分にマッチした適切な企業を選びたい人は、業界や企業の内情などにも詳しい転職エージェントへの相談を検討してみてください。
百田 遼太郎