施工管理の夜勤には、メリットとデメリットがあります。そのため「何となく稼げそう」という気持ちで夜勤に入ると後になって後悔することがあるため注意が必要です。
そこで本記事では、施工管理が夜勤で働くメリットとデメリットに加え、夜勤のタイムスケジュールや割増賃金などについて分かりやすく解説します。
施工管理の夜勤に興味があり、後悔を未然に防いでおきたい人はぜひ参考にしてください。
施工管理でも夜勤はある?
結論、施工管理でも現場によっては夜勤もあります。夜勤のある工事現場は基本的に、昼間の工事が不可能なため、やむを得ず夜に工事をおこなうケースが多いです。
たとえば、次の工事は夜勤があります。
- 橋の補修工事
- 駅の改修工事
- 道路の補修工事
- 線路の補修工事
- 店舗の改修工事
- 商業施設の改修工事
- トンネルの補修工事
昼間に交通量が多かったり、人の出入りが多かったりするような上記の工事は、夜に工事をおこなうため、施工管理は夜勤で対応します。
また、内装工事も照明をつけることで作業ができるため、夜勤で対応することがあります。
【施工管理】夜勤時のタイムスケジュール
施工管理の夜勤時のタイムスケジュール例は下記の通りです。
時間 | 仕事 | 内容 |
7時30分~ | 出勤 | 段取りの確認や朝礼の準備をおこなう |
8時~ | 朝礼 | 作業をするうえでの注意事項や安全喚起などをおこなう |
12時~ | 現場の見回り | 現場を見回りながら適宜写真を撮影する |
13時~ | お昼休憩 | 食事と休憩 |
14時~ | 現場見回り・資材発注 | 午前の続きをしながら現場に必要な資材を発注する |
17時~18時 | 日勤の作業終了 | 作業を一旦終了して夜勤の準備をおこない、食事や仮眠をとる |
23時~ | 夜勤開始 | 作業を指示したり現場を巡回したりしながら安全面をチェックする |
5時~6時 | 夜勤の作業終了 | 日報、引き継ぎ事項などを記録して夜勤終了 |
上記は一例であるため、参考程度にご覧ください。
施工管理が夜勤をする際のパターン3選
施工管理が夜勤する際のパターンは下記の通りです。
- 夜勤メンバーの欠勤
- 大規模工事
- 日中営業のサービス店
1.夜勤メンバーの欠勤
普段、夜勤として働いている施工管理が欠勤した場合、ピンチヒッターとして急遽、夜勤になることも珍しくはありません。
施工管理が欠勤すると工事が大幅に遅れる可能性があるため、どうしても穴を空けるわけにはいかないのです。もちろん頻繁に起こることではありません。
2.大規模工事
大規模な工事で、工期がひっ迫している際は施工管理が夜勤をすることもあります。
ただし、夜に工事音を出せない現場がほとんどなため、施工管理は夜勤でデスクワークなどに対応することが多いです。
3.日中営業のサービス店
日中に営業しているサービス店は、閉店後の夜間に改修工事を依頼します。昼間に工事をすると営業の邪魔になってしまうためです。
そのため、閉店が遅いサービス店の場合は夜勤で対応するケースが多い傾向にあります。
施工管理】夜勤のメリット・デメリット
施工管理が夜勤で働くメリットとデメリットを紹介します。
メリット
施工管理が夜勤で働くメリットは、日勤よりも給与が高くなることです。夜勤で働くと夜勤手当がつくため、日勤の約1.25〜1.5倍給与が高くなります。施工管理がもらえる夜勤手当については後ほど詳しく解説します。
また、夜勤は日勤よりも社内・社外で連絡をとったりコミュニケーションをとったりする機会が少ないため、その分業務の負担が減りやすいというメリットもあります。
さらに夜勤明けの日中は自由な時間がつくれるため、市役所などでの公的な手続きをスムーズにおこなえるでしょう。平日であれば比較的どのお店も空いているため、買い物もしやすいです。
デメリット
夜勤のデメリットは、慣れるまでに時間がかかることと、身体に大きな負担を与えることです。とくに朝起きて夜に眠るという一般的な生活をしている人がいきなり夜勤に切り替わると、身体に大きな負担を与えてしまいます。
ほとんどの場合は、慣れることで負担は軽減されていきますが、中には全く合わない人もいるため注意しておきましょう。身体に合っていない状態で仕事を続けると精神的な負担も大きくなるため無理は禁物です。
また夜勤は日勤よりも工期を優先されるため、労働時間が増えやすいというデメリットもあります。さらに夜勤は日勤よりも少ない人数で工事を進めるため、トラブルが起きた場合の対応に時間がかかることも多いです。
夜勤がある施工管理への転職を考えている人は、身体への負担等を考慮したうえで慎重に決めましょう。
施工管理の夜勤手当
施工管理が夜勤として働く場合、夜勤手当が支給されるケースは比較的多いです。
ただし、夜勤手当は企業が任意で支払うものであるため、必ず支給されるというわけではありません。
そう聞くと「夜勤がない企業で働くのは損なのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、夜勤で入った場合には深夜割増賃金が支払われます。
深夜割増賃金と夜勤手当の違い
深夜割増賃金とは、22時~5時の時間帯で働いた場合の割増賃金です。深夜割増賃金は、日中に支払われる賃金の1.25倍を労働者に支給することが、労働基準法により義務付けられています。
つまり、深夜割増賃金と夜勤手当の違いは、任意であるか義務であるかという点にあります。
また、先ほど夜勤のタイムスケジュールで紹介したように、日勤と夜勤の両方を担当する場合は、深夜割増賃金に加えて割増賃金の支払いが義務付けられています。
法定時間外労働の割増賃金は1.25倍です。よって、日勤と夜勤の両方を担当する場合は、1.5倍(1.25倍+1.25倍)の割増賃金が支払われます。
深夜割増賃金の計算方法
深夜割増賃金の計算方法は、日給と月収でそれぞれ異なります。そこで以下では、日給10,000円と月収20万円の場合に分けて解説します。
日給10,000円の場合
日給の場合はまず「日給÷1日の労働時間」で時給を計算します。たとえば、1日8時間労働の場合、10,000円(日給)÷8時間=1,250円となります。
次に、計算した時給(1,250円)に深夜割増賃金の1.25倍を掛け算すると「1,250円×1.25(深夜割増賃金)=1,562.5円」となります。
よって、8時間労働した場合の賃金は約12,500円となります。
日給での夜勤が前提である場合、記載されている支給額があらかじめ深夜割増賃金込みになっていることもあるため注意しておきましょう。どちらか分からない場合は、労働契約を結ぶ前に「深夜割増賃金は含まれていますか?」と確認することが大切です。
月収20万円の場合
月給の場合もまずは時給を計算します。月収の場合の計算式は「月給÷月の労働日数÷1日の労働時間」です。
仮に、月給20万円、20日、1日8時間とした場合は「200,000円÷20÷8=1,250円」となり、深夜割増賃金は「1,250円×1.25(深夜割増賃金)=1,562.5円円」となります。
月によって労働日数が異なる「変形労働時間制」の人が月収を計算する際は、1年の労働時間に基づいた1カ月平均日数を算出しなければなりません。この場合は残業手当の計算方法が複雑になるため、企業側に事前確認しておくことをおすすめします。
まとめ
本記事では「施工管理の夜勤があるパターン」「施行管理が夜勤をするメリット・デメリット」などを紹介しました。
施工管理の夜勤は、深夜割増賃金や夜勤手当がつくため、高収入を狙えるというメリットがあります。一方で、身体が慣れるまでの負担が大きいというデメリットもあります。
「夜勤だと大きく体調を崩しそうで不安…」という人は、転職エージェントに相談するなどして夜勤のない企業を探しましょう。
逆に「夜勤に入って高収入を狙いたい」という人はその旨を転職エージェントに伝えるとよいでしょう。自分にピッタリの求人を紹介してもらえるはずです。
百田 遼太郎