結論、施工管理として稼ぐことは可能です。しかし、施工管理として稼ぐためには、年収アップにつながる要素やコツなどを押さえておく必要があります。
そこで本記事では施工管理の年収アップにつながる要素や稼げる施工管理の職種などについて詳しく解説します。
稼ぐためのポイントを押さえておけば、あとは継続を重ねていくだけです。以下にて具体的な方法を見ていきましょう。
施工管理は稼げる?
dodaの調査によると、施工管理職の平均年収は451万円であることが分かっています。建設業界全体の平均年収が422万円であるため、平均よりも29万円高いです。
よって、施工管理は平均よりも稼げると言えます。
施工管理の年収は個人によって大きく異なる
施工管理の年収は個人によって異なります。施工管理は年収の高低に関わる要素が多いためです。
たとえば、未経験から施工管理をはじめる場合は、平均年収を下回ることもあります。逆に年収アップに関わる要素が多い人は一般的な平均年収の倍を得られることもあるでしょう。
年収の高低に関わる要素の一つとして「正社員と派遣どちらであるか」も重要です。求人ボックスの求人データを見ると、正社員の平均年収が約483万円であるのに対し、派遣社員の平均年収は約324万円で、派遣社員よりも正社員のほうが約159万円高いことが分かっています。
そのため、いま派遣社員として働いている人は、正社員への切り替えを検討してはいかがでしょうか?
施工管理の年収に差がでる3つの理由
施工管理の年収に差がでる理由は次の通りです。
- 経験年数
- 保有資格
- 企業規模
以下にて、それぞれの理由を詳しく解説します。
1.経験年数
施工管理以外の職種でも言えることですが、経験年数の長さは年収に直結します。
施工管理は、仕事の幅が広いため、経験年数の長い人材が重宝されるのです。
たとえば、ある転職サイトに掲載されている求人の「モデル給与」の欄では次のような違いがありました。
- 勤続5年の施工管理技士→平均年収492万円
- 勤続10年の施工管理技士→平均年収720万円
このように、経験年数が5年違うだけで約228万円の違いがありました。施工管理がいかに経験年数を重視しているのかが分かります。
同じことをコツコツと続けるだけで年収アップにつながるのは、施工管理のメリットと言えるでしょう。
2.保有資格
保有資格によっても年収は異なります。施工管理技士の資格は、施工管理としての経験や知識を裏付けるものであるためです。
とくに施工管理技士1級を保有している人の平均年収は高い傾向にあります。
また、施工管理技士の取得者に資格手当てを支給する企業もあります。
具体的には1級で2〜7万円、2級で1〜3万円の資格手当てが支給されるケースが多いです。
ただし、施工管理技士の資格を取得するためにはいくつかの受験資格をクリアする必要があるため注意しておきましょう。詳しくは施工管理の資格の種類や難易度について解説している記事をご参考ください。
3.企業規模
施工管理の年収は、所属する企業の規模によっても異なります。規模の大きい企業は、手がける現場の規模や数が多いためです。
たとえば、大手ゼネコンの平均年収は900万円とされており、施工管理の平均年収を大きく上回っています。
ただし、正直なところ大手ゼネコンのような高年収の企業へ一足飛びで転職するのは難しいです。そのため、少しずつ経験年数を積んだり資格を取得したりしながら、徐々に年収を上げていく姿勢が大切になります。
【職種別】施工管理の平均年収ベスト5
施工管理の平均年収を職種別にランキング化すると次のようになります。
【5位】サブコン
サブコンとは、ゼネコンの下請け企業です。一般的には建設業者を指します。
サブコンの平均年収は620万円前後です。
サブコンは、大手ゼネコンが受注した大規模な建設現場の生活排水の設備工事、足場を組む工事などといった専門的な仕事を請け負っています。
大手の下請けということもあり安定感がある点もサブコンの強みと言えるでしょう。
【4位】コンサルタント
建設業界でいうコンサルタントとはPM(プロジェクトマネージャー)を指します。
PMの主な役割は、大規模な建設工事を効率よく進めるためのサポートです。
具体的には、工事がはじまる前の企画から参画し、設計、発注、維持管理などに携わりつつ、全体をマネジメントします。
PMの平均年収は630万円前後です。
【3位】ディベロッパー
ディベロッパーの役割は、建設工事の計画を立てることで、不動産開発会社とも呼ばれています。
ゼネコンと同じ扱いをされることもありますが、ゼネコンは建設工事の計画ではなく工事を担当するため、厳密には異なります。
ディベロッパーが行う仕事の例として、駅前の開発事業計画の作成などがあります。ディベロッパーは計画の作成だけでなく、工事をまとめたうえで発注する作業も担います。その後、実際の工事を行うのがゼネコンというわけです。
ディベロッパーの平均年収は、650万円前後となっています。ただし、ディベロッパーはマンションやビルなど、何を扱うかによっても年収が異なるため注意しておきましょう。
【2位】ゼネコン
ゼネコンとは、大型の建設工事を中心に請け負う会社全般を指します。
ゼネコンの平均年収は690万円前後とされており、施工管理職の人が目指すゴールのような存在でもあります。
ただし、ゼネコンはスーパーゼネコンと呼ばれる大手、準大手、中堅の3種類に分かれており、それぞれで平均年収は異なります。
スーパーゼネコンになると準大手でも年収1,000万円への到達が十分に可能です。【1位】プラントエネルギー
プラントとは、いくつもの機器が組み合わさった製造設備です。
プラントエネルギーとは、石油プラントや生コンプラントなどの素材・資材を限定的に製造する設備を指します。
プラントエネルギーは工事の規模が大きく、それに比例して売上も多いため年収は720万円にものぼります。
稼げる施工管理になる3つのコツ
稼げる施工管理になるコツは次のとおりです。
- 研修制度が整っている企業を選ぶ
- 技術派遣として働く
- 質問しまくる
先ほど紹介した高年収な施工管理になりたい人は参考にしてください。
1.研修制度が整っている企業を選ぶ
研修制度が整っている企業を選びましょう。最初のスタートダッシュをしっかり切ることができれば、大切な基礎をスピーディーに身に付けられるためです。
とくに未経験から施工管理になる場合は、新人研修の質を見極めることが重要になります。
「入社前に研修内容を詳しく把握しておきたい」という人は転職エージェントなどに相談しながら企業を選ぶとよいでしょう。
2.技術者派遣として働く
技術者派遣として働くというのは、技術者派遣の会社の正社員として働くということです。正社員であるため福利厚生や残業代などもきっちりと支給されます。
また研修制度も整っているため、しっかりとした給料をもらいつつ施工管理技士としての知識やスキルを学ぶことが可能です。
3.質問しまくる
シンプルですが、質問しまくることはとても大切です。施工管理は、危機管理やコミュニケーション、マネジメントなど、座学だけでは習得できないスキルが多いためです。
座学で習得できないスキルは、経験者に質問することで習得を早められます。
そのため、これから1年目を迎える人や、早く稼げるようになりたい人は積極的に質問していきましょう。
まとめ
本記事では「施工管理に年収差が生まれる理由」「稼げる施工管理になるコツ」などを紹介しました。
施工管理は、経験年数や保有資格などによって年収が大きく異なります。そのため、稼ぐ施工管理になるためには、仕事を続けつつ資格勉強を進めるのがもっとも堅実な方法と言えるでしょう。
スキルや資格の取得は簡単ではないですが、コツコツと続けることで着実に年収アップできるのは、施工管理の魅力の一つと言えるのではないでしょうか。
百田 遼太郎