施工管理を目指すうえで難しいスキルや知識はほとんど必要ではありません。
では、どういった人が施工管理の仕事に向いているのでしょうか。
本記事では、施工管理に向いている人と向いていない人に加え、施工管理になりたい人が最低限もっておきたい3つの要素を紹介します。
これから施工管理として活躍したい人はぜひ以下をご覧ください。
施工管理ってどんな仕事?
施工管理の主な仕事は、建設物の電気、土木、管工事などの工事を計画したり管理したりすることです。中でも安全管理と品質管理に関する仕事は重要とされており、現場の作業進展のために施工管理技士が監督を勤めるケースもあります。
また、建設上の工程で必要な作業員の配置を検討することもあるなど、建設物の建設をおこなう上で施工管理は欠かせない人員だと言えます。
さらに施工管理は、建設をあらゆる面でサポートする必要があるため、建設の知識や技術はもちろん、全体の作業を監督したり管理したりするスキルなども求められます。
施工管理の仕事のやりがい
施工管理のやりがいはたくさんあります。もっとも大きなやりがいと言われるのは、自分が手がけた建設物が目に見える形で半永久的に残り続けるという点です。地図やGoogleマップなどにも残るため、それらを見るたびにやりがいを感じられるでしょう。
その他にも、さまざまな人とコミュニケーションをとりながら一つの建設物を完成させた時の達成感、トンネルなどのインフラ整備に関わる場合は「自分が作ったものが人々の助けになっている」といったやりがいなども感じられます。
こういったやりがいはモチベーションにもなるため、日々の仕事の充実度も上がるでしょう。
施工管理に向いている人の特徴
施工管理に向いている人の特徴は次の通りです。
- リーダーシップがある
- コミュニケーション力が高い
- 普通以上の体力がある
- 室内外に問わず仕事できる
- スケジュール管理が得意
以下では、向いている人の特徴に加えて「どんな経験があればよいのか」という点も紹介します。
1.リーダーシップがある
リーダシップがある人は施工管理に向いています。施工管理の仕事は、作業員に指示を出したり、現場全体をまとめたりするためです。
また、単に指示をだすだけでなく、現場で働いている人たちのやる気を上げて、作業を円滑に進めるようなスキルも求められます。
そのため、過去にバイトリーダーの経験や部活動の部長をした経験がある人は、施工管理に向いている可能性が高いです。
2.コミュニケーション力が高い
コミュニケーション力が高い人も施工管理に向いています。
施工管理の仕事は、現場の作業員だけでなく、工事の発注者や現場付近の住民などともコミュニケーションをとり、工事が円滑に進むようにしなければなりません。現場だけでも年配の大工さんやアルバイトの作業員など、さまざまな人がいます。仕事に関係する人たちの年齢層の幅も広いため、高いコミュニケーション力が必要です。。
そのため、過去に飲食店で働いた経験や、企業に属して多方面の人と関わりをもった経験がある人は施工管理に向いているでしょう。
3.一般以上の体力がある
一般以上の体力がある人であれば、施工管理に向いています。建設関係の仕事ということもあり、肉体労働のイメージが強い施工管理ですが、実は現場での作業は少ないです。
しかし、作業員の手伝いをしたり現場を行き来したりすることもあるため、体力は必要になります。
したがって、これまでに部活動の経験があったり日ごろ運動したりしている人であれば、体力面で遅れをとることはないでしょう。
4.室内外を問わず仕事できる
室内外を問わず仕事できる人は施工管理に向いています。施工管理の仕事は、現場での作業のほかに書類作成などの事務仕事もあるためです。
そのため、事務での経験に加えて外での仕事をしてきた経験がある人は、施工管理に向いていると言えるでしょう。
とくに、施工管理の事務処理ではExcelやWordといったソフトを用いる場面が多いため、それらのソフトを利用した業務経験がある人は重宝されます。とはいえ、あまりソフトを使ったことがない人でも、パソコンに対する抵抗がなければ覚えられる簡単な作業が多いため、未経験でも問題はありません。
5.スケジュール管理が得意
スケジュール管理が得意な人も施工管理に向いています。施工管理では工期に合わせて建設物を完成させられるスケジュール管理力が求められるためです。
スケジュール管理力とは、ただスケジュール通りに工事が進むように指示を出すだけでなく、現場の状況に合わせて進行を調整できる力を指します。
たとえば雨が降った日は「雨量を見ながら中止を判断する」「効率良く工事を進められる作業員のローテーションを考える」といったことが施工管理で言う「スケジュール管理力」です。
とはいえ、こういったスキルは経験を通して磨かれるものでもあるため、最初から身に付いている必要はありません。知識やスキルは現場で実際に働きながら身に付けていけばよいのです。
施工管理に向いていない人の特徴
体力がない人や定時に帰ることを絶対条件としている人は、施工管理の仕事に向いていないかもしれません。
施工管理の仕事は、資料作成などの事務作業もありますが、現場によっては外での作業も行います。涼しい季節なら問題ありませんが、夏の工事は強い日に当たりながら作業をするため、体力がないと大きな疲労感が伴うでしょう。
また、施工管理は工期が迫っていたり、トラブルによってスケジュールが押していたりすると、やむを得ず時間外労働を強いられることがあります。そのため「毎日必ず17時に仕事が終わらないといけない」という人に施工管理は向いていません。
とはいえ、近年は建設業界でも働き方改革の影響もあり、労働環境はかなり改善されています。毎日ぴったり17時に帰れずとも、ストレスなく仕事を続けることができる環境になっていると言えるでしょう。
施工管理になりたい人はこれができればOK
以下の3つができれば施工管理になることは可能です。
- 挨拶をする
- 順序立てて物事を考える
- 仕事に対して真剣に取り組む
以下では、なぜこの3つができれば施工管理になれるのかを解説します。
1.挨拶をする
さまざまな人がいる現場をまとめる施工管理の仕事では、挨拶がとても大切になります。あまりコミュニケーションが得意でない人であっても、挨拶さえしていれば相手との距離を縮めることができるためです。
元気な挨拶を繰り返すことで、少しずつ打ち解けられるため、年配の職人さんとスムーズにコミュニケーションをとれるようになります。
最初は恥ずかしさやためらいがあるかもしれませんが、仕事だと割り切れば楽な気持ちで挨拶ができます。
2.順序立てて物事を考える
さまざまな人やモノが行き交う建設現場には多くの危険が潜んでいるため、常に冷静さが求められます。たとえ非常事態でも物事を冷静に順序立て、それを遂行していくことが重要です。
とくに安全に関わる業務について考える際は、さまざま事態やリスクを考慮したスケジュール作成が求められます。
とはいえ、物事を順序立てて遂行するスキルは、経験の中で身に付くものですから、まずは現場でしっかりと作業に徹することが大切です。
3.仕事に対して真剣に取り組む
当たり前だと思う人もいるかもしれませんが、仕事に対して真剣に取り組む姿勢も重視されます。適当な仕事や考えをもっていると、長い間現場で働いている職人に見透かされ、非難される可能性があるためです。
また、施工管理は、建設物を建造するという責任感の重い仕事でもあるため、真剣さがない人は仕事を振ってもらえなくなります。
したがって、施工管理の仕事を続けていくには、一つひとつの業務に対して真剣に向き合う気持ちが重要になります。
まとめ
本記事では「施工管理に向いている人」「施工管理に最低限必要な3つの要素」などを紹介しました。
施工管理は、その仕事量の多さからさまざまなスキルや知識が求められます。しかし、スキルや知識は、働きながらでも身に付けることが可能です。
本記事を読んで「施工管理に向いていないかも…」と思った人は、まず現場での仕事を経験してみましょう。実際に働いてみることで本当の意味での向き・不向きが見えてくるはずです。
百田 遼太郎